上映時間とうまくタイミングが合ったので, 隣町まで「アウトレイジ 最終章」を観に行った. 好き嫌いがハッキリする極道映画だから空いていると思いきや, さすがにロードショー初日とあって結構混んでいた. それでも満席という感じではなかったけどね.
アウトレイジは北野武監督の映画としてはかなり娯楽に振っており, 気楽に楽しむことができるこのシリーズも最終章. 今回はフィクサーと暴力団の全面戦争とのことだが, 観てみると花菱会の抗争が色濃く出ている. これ以上はネタバレになってしまうので控えるが, 驚くのはその花菱会の若頭補佐である中田を演じている塩見三省の変化ぶりだろう.
前作「アウトレイジ ビヨンド」では西田敏行とともに迫力のある恫喝シーンが強烈だったが, 今作ではあまりの変わりように最初は分からなかった.
ジャパンプレミアでは立つのもやっとで, 大杉漣に支えられている状況. あまりの激やせぶりに癌だろうと思ったが, ネットで調べてみると3年前に脳出血で5ヶ月間も入院した模様. 後遺症があるなかで良くぞ出演したと思うし, 北野監督も前作の迫力が出せない塩見三省をよく出演させたなと思う.
このシリーズ, 1作目が最もシリアスな雰囲気を醸し出しているが, 2作目ではやや娯楽よりに変化し, 今作はそれがより色濃く出ており, あるシーンでは観客席から笑いが起きていた. ストーリーは無茶苦茶だが, 北野監督好きには安心して楽しめる作品となっている.