続々・トマトモータース

今日, 新青梅街道を通る用事があったのでDUCATI TOKYO WESTの店舗跡をチラ見した. 当たり前だがひっそりとしており, DUCATIを買うことがあればココで, と思っていたのに非常に残念だ. 振り返ってみると, カスタムとメンテで2005年からずっとお世話になってきた訳で.

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2005年に村山モータース八王子が閉店した後, 同じ建物にトマトモータースが入り1Fがピット, 2F~3Fがショールームという非常に贅沢なレイアウトであったのを覚えている. WESTだけではなく八王子店でもMultistradaをカスタムしてもらったりアパレル買ったり. 大通り沿いでアクセスも良かったから頻繁に通った.

その後 2007年9月にbimotaの取り扱いを開始するも, 売上を伸ばすことができなかったのかトマトモータース八王子が閉店となり、旧車専門の株式会社ウエマツの本社が移転してきた. 因みにウエマツは現在も営業を続けている.

さて, トマトモータース(正しくは株式会社バイクの森)が運営主体となっていた, 「バイクの森おがの」の件について少し調べてみた. 秩父小鹿野町長がバイクで町おこしを進め, 町営温泉施設を引き継ぐ形で, 2009年5月2日にバイクの森おがのが開館している. トマトモータースの大河原社長は資産家であったのだろうか, バイクの森おがのの施設には大河原氏の父親が収集した世界の珍しい旧車を展示することで, 温泉施設は残したままライダーが集まる場所にしようとしたのだろう.

ちょっと分からないのは八王子店舗をそれなりに短期間で閉めた直後に, 何故バイクの森おがのの指定管理者の申請を行ったのかだ. 有限会社トマトモータースは, 小鹿野町から「2009年4月1日~2012年3月31日」の期間で, 当該施設の指定管理者として承認されている.

2009年1月22日付で指定管理者となっているにも関わらず, 5月に開館するまでの間に新しい会社を起こしている. 新たに「株式会社バイクの森」を資本金300万円で設立し, 2月18日付でバイクの森おがのの運営主体を㈲トマトモータースから㈱バイクの森に移すべく届け出している. このあたりの目論見がどのようなものであったのかは不明だが, 2009年春先の小鹿野町議会議事録を読むと, まだ開館もされていない時期に事業主体を変える理由が見当たらない, との指摘が町議からなされている. 当時の町長がバイクでの町おこし推進派であったから, 大河原家の動きに理解があったのかもしれない. ただ, 町議会のやりとりではトマトモータースの経営状況についても議論がなされており, 議事録からも相当厳しい経営状況であったことがうかがえるのだ. しかも一時期は年間売上は10億を超えていたようだが, 2009年頃には落ちてきており納税額もごく僅かであったと町議から指摘されている.

八王子の閉店に伴う事業縮小を違う形でリカバリしようとしたのか, 純粋な気持ちで小鹿野町の活性化に貢献しようとしたのか. 後者であるとは思うが, 議事録から確認できる当該施設の年間収入がかなりどんぶり勘定と素人目からしても感じるので, もう少し見通しを持つべきだったのは間違いない.

2009年10月の町長選で, バイクによる町おこしの推進派であった町長が負け, 新しく就いた町長で大きく方針・計画の見直しが図られたことも逆風となったかもしれない. 2010年6月末には, ㈱バイクの森から指定管理者取消申請書が提出され, 同8月19日付で申請が承認されている. その後はDUCATIディーラーの運営に専念していたのかもしれないが, 2016年2月にDUCATI練馬の閉店・2017年12月にDUCATI TOKYO WESTの閉店となった. 販売台数の伸び悩みで負債が解消できなかったのだろうか. 詳しくは経営者にしか分からない.

先日, DUCATI JapanのディーラーページからDUCATI TOKYO WESTが削除されいてるのを確認した. 削除後のディーラーマップを見ると, 東久留米が無くなったのは日本法人としても痛いのでは. 近年では日野バイパス沿いで株式会社ウインドジャマーズが運営していた店舗も閉めてしまったし, 府中のA-bigはどちらかというとBMWディーラーの色合いが濃いし…

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CB1100RSの試乗車があるということで, 某ホンダドリーム店に車で出掛けた. 試乗させてくださいとお願いしたところ「お貸しできるメットとグローブはありません. ご持参のうえ, 改めてお越しください」とのこと. おっと, 当然貸してくれると思ってノコノコと出掛けてきた私が悪いのは分かるが, ドリーム店でそんなことってあるのかと正直驚いた. いろんなディーラーで同じようなお願いをしたことがあるが, 貸してくれなかったことは一度もないし.

最近, 自社の経営幹部と「お客様目線」を改めてテーマとして議論していたところなので, 今回のドリーム店の店員は私の心情をもう少し読んで対応した方が良かったのでは, と思ってしまった. 例えば以下のような具合に.

  • 何故, ヘルメット等の装備を用意していないか理由を説明し, 納得感を得る.(もしかすると安全に対する考え方が何かしらあるのかもしれない)
  • CB1100の興味度合いを確認する意味で話を振ってみる. 興味がありそうならば, 概算見積を作成したり, カタログを渡す等して引きつける.
  • 人気のある車種だし, 他の店舗に試乗車を回してしまう場合もあるので, 具体的な試乗日を決めてしまいませんかと投げかけ, 次の来店を確実にする.

因みに私がドリーム店に訪れたときの意識は「試乗して, カタログをもらって概算見積をもらおう. 対応や良かったり, ピットで働いているメカニックの動きが良ければ, この店舗はホンダ車を購入する場合の有力候補としよう」である. 今回, 駐車場に車を停め, 店舗に入り, 店員と前述の会話をして店舗を去るまで実に5分程度. 今はバイクが売れない時代でどこも非常に厳しいからこそ, 一つひとつの対応が大事な気がする. 街中のバイク屋に愛想の良い対応なんてそもそも期待していないが, ドリーム店やYSP・カワサキプラザ・スズキワールドはそれじゃダメだと思う.

ホンダは今年4月にも販売店網の再編に着手するとアナウンスしており, 250cc以上を扱えるのはドリーム店のみとするようだ. この理由としてホンダは「大型バイクライダーは、豊富な商品知識やサービススキルの豊富な従業員、イベント企画などを店側に求めている」と説明している訳. 売れない時代にこそ取り組むべきことは何なのか. 自分の今の仕事の状態にも当てはまるから自問自答したい.

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