スターバックスが米国で150店舗あまりを閉店し合理化を進めている, といったニュースが以前流れていたが, 世界どこに行っても目にする珈琲チェーンとしてのブランドは凄いものがある. スタバの珈琲は単純に美味しいと思うし, 価格設定も日本市場が高いということでもない.
とは言え, どうにも理解し難いのは, 店内見渡すとドリップ珈琲以外を注文している人の多いこと. メニューラインナップ見れば当たり前のこととは言え, あの甘ったるい飲み物たちは最早珈琲とは全く関係が無い存在ではないか. 女性から「スタバ行こうよ」と誘われ, 店内に入ってメニューを眺めていると「アタシ珈琲飲めないんだよね. 何にしようかなー」なんて言われたことも. ここまで来るとスタバは珈琲屋ではなく, 息抜きのアイコンみたいなもので, それって凄いブランド力ではあるよな, と思う. 街中にある老舗の珈琲屋のマスターが焙煎しながら「なにがスタバだ, あいつら珈琲のことなんて何も分かっちゃいねぇ」と嘆いても駆逐されるだけだ.
スタバの店内を観察してみて欲しい. 珈琲目当てでではなく「スタバという空間」で時間を消費することを目的としたボーダーシャツの兄さんが結構多い. ボーダーシャツかどうかは置いといて… 皆, 珈琲に手を取ることなく一生懸命ノートパソコンのキーボードを叩いているけど, 一体何をしているのだろうか. そんな兄さん達のノートパソコンにはAppleロゴが光り輝いている割合が高いと感じるのは私だけだろうか. つまり意識高い系の人たちはApple御用達だという話. 一部, 偏見も入っているかもしれないが, 誰か統計データを持っていたら是非提供して欲しい.
AppleはIT業界におけるトップブランドだ. いや, Appleのデバイスやサービスは人々の生活に浸透しており, 今やIT業界という枠にすら当てはまらない. 昔は倒産寸前の企業であったのに2018年では時価総額世界一であるから, ジョブズの業績は歴史に残るものであり天才だと思う. ブランド力とは「モノ・サービスをより高く売ることができる」こととも言え, 先日発表となったiPhone XS Max 512GBモデルは何と177,984円だそうで, HUAWEI P20 Proが4万円強で購入できることと比較すれば「こんな価格で誰が買うんだよ」と思ってしまう.
ところが, 車やバイクの購入費用や, 彼女とのデート費用を削ってでもiPhone買い替えにお金を使ってくれるのだ. 先日, 娘のMacBookを修理するために新宿AppleStoreに行ってみたら, 夜8時過ぎだというのに店は大混雑. 若い世代, お年寄り, 外国人… 働いている人も多国籍. 修理受付の待ち時間で観察しているとApple教の信者たちが巡礼しているように見えてくる. 私は天邪鬼なところがあるため, 周りがスタバ好きだからとか, 周りがApple使っているから, ということでワサワサするのは嫌い. ジョブズが復帰した後のApple製品は決して品質が良いものではなく, そこまでワサワサする程一体何が良いのだろうと思っていたりする.
事実, iOSとAndroidを比べて, iPhoneとGalaxyを比べてAppleは凄いと思う点はそう多くはないし, むしろAndroidの軽さや操作性の良さのほうが上回っているとすら感じる. 普段双方のデバイスを使っている私はどちらかの信者になることはなく客観的に評価している. Appleの地図サービスはローンチした直後は糞以下でGoogleMapアプリをStoreから外すといった外道であったが, いまだにGoogleに遠く及ばない. そんな私がコレいい!と思ったのはAppleのAirPodsである.
普通のBluetoothイヤホンでしょ, と問われればYesなのだがデバイスとして秀逸なのだ. 私は耳の穴が大きめなのかカナル型イヤホンを使う場合, イヤーピースを大き目のものに換装して使うことが多かった. このAirPodsはイヤーピースも無いのに装着感があり, 余程のことが無い限り耳から落ちることがない. この形状を決めるまでにエンジニア達はどれ程の労力をかけたことだろうか!また耳から外すと, 何からしらセンサーが付いているのだろうか, 外されたことを検知して音楽が停止したり, そうあって欲しいよねということが当たり前のように働く.
また, 充電器を兼ねた収納ケースの大きさ・形状がこれまた秀逸で, 中国メーカーのBluetoothイヤホン性能も最近はかなり良いもののケースだけはイマイチということが多い中で, このケースは凄い!と感じた. イヤホンと充電器そのもののバッテリ残量がiPhoneで分かりやすく表示されるのも良い. このあたりは一企業が非オープンで開発していることの極みだな, と.
Appleに対して批判的な書き方もしたが, 私はリドリー・スコット監督によるCMが超有名な初代128k Macintoshからのユーザーであることを述べておく. 先日娘に「Macintoshを修理にもって行く」と言ったら目をパチクリさせていたな.