かつて所有していたバイクで旧Blog含め, 全く紹介したことがない車種が幾つかある. そのうちの1台がジレラ・ネクサス500というイタリア製スクーターである. このスクーターは粗削りなところはあるものの, シンプル且つ高性能であったので少し紹介してみたい. 因みに, ジレラはピアッジオの1ブランドである.
見た目は台湾系スクーターとは明らかに異なるシャープな印象で, ランナーの後期モデルと通じるものがある. 水冷単気筒459ccエンジンを搭載するが, 車重は約220kgとスペック上はやや重め. それでもこの手のスクーターの中では軽い部類に入るため, 取り回しや走り出した後のハンドリングは良好である.
後方からのスタイリングもシュッとしており, いかにも走りが得意そうなイメージを醸し出している. 特徴的なものとしてプログレッシブパワードライブという車高調整機構があり, グリップを回すと車高が変化するというスクーターらしからぬもの. このセッティングにより走りも変わってくるので自分好みのポジションを見つけていくのも愉しみの一つとなる.
前期型のメーターは真ん中がタコメーターというのもスクーターらしくない. 水冷単気筒エンジンは非常にトルクフルで回転上昇も速いので, タコメーターを見ながら走るのも面白いのだ. エンジンは正直粗削りなところも感じるが, 気が付くと平気で100km/hくらいになっていて文句なしの動力性能を有している.
所有した直後に新宿駅周辺のトンネルを流していたら80km/hを超えていたようで, 白バイの餌食になってしまった. 白バイの警官も“何故そんなにスピード出したの” なんて不毛な質問をしてくるものだから, “バイクの性能が良過ぎたみたいっす” と何の言い訳にもなっていない返答をしておいた. 防風性能もそこそこで, 高速域では150km/h巡行を余裕でこなすから, ちょっとした移動からツーリングまで幅広く使えるし, 何しろ日本で走っている台数なんて知れているため “他人と同じものは嫌” という人にはピッタリの1台と言える.
ジレラではGP800というモンスタースクーターもラインナップされていたが, 排気量相応の大柄な車体で鈍重な動きをイメージしてしまうデザインのGP800よりは Nexus500の方が扱い易くお薦めと個人的には思うのである. ピアッジオのスクーターは日本市場でもっと売れても良いはずだが, 日本メーカー製は壊れにくいしスムーズだからね. 故障のことを考えると販売店が近くにあるかとか部品の入手がし易いか等は気にはなるだろう.