昔からオートバイは危ないと言われ, オートバイに乗る輩は不良の一種とまで思っている年配の方もいる. 不良って何?マッドマックスの世界?
危ないかどうかで言えば, 間違いなく危険な乗り物である. 車があれだけ衝突安全性の向上に努めてきているのに, バイクの世界で衝突安全性という言葉すらほとんど聞いたことがない. HONDAの新型ゴールドウィングでエアバッグを搭載しているくらいか. 無防備な状態で運転している訳だから, 自損事故でも, 突っ込まれてもタダでは済まない. しかし, 運転技術を向上させ, セーフティデバイスが装備されたバイクを選択することで, 少なくとも自損事故のリスクは低減できるはずだ.
運転技術は残念ながら転倒したり, ヒヤっとする経験を通して向上する面もある. 後は転倒する経験を公道で得るのか, クローズドな場所で得るのかであり, 可能な限りスクール等に通いクローズドなコースで安心して転倒できる環境が良い. 公道で転倒した場合, ガードレールや対向車・後続車と衝突するリスクがある.
中型免許を取得したらすぐに公道を走りたくなるだろうが, しばらくはHONDA等のメーカー・教習所が主催しているスクールで基礎技術を磨いた方が圧倒的にリスクは低くなるだろう. また, むしろ若者よりも反射神経が衰えているリターンライダーの方が受講すべきかもしれないが. クローズドなコースと言う点ではオフロードがお勧めかもしれない. オフロードの低μ路を走ることは運転技術向上には寄与すると思うし, 最近はモトクロスコースも手ぶらで訪れてバイクや装備を一式レンタル可能なところもある. モトクロスの場合, バイクの排気量は100cc.もあれば十分に楽しめるし, 練習になるのだ. むしろ100ccクラスのモトクロスバイクを自在に操れる人なんてそんなに居ないと思う.
排気量の選択は難しく, 今は教習所で比較的簡単に大型免許が取得可能なので, バイクに乗り始めてから年数が経っていないのに, ゴールドウィングを運転することも可能だ. しかし250cc.クラスと1,000cc.超クラスではトルクが全然違うので, 不用意にアクセル回すとすっ飛んで行ってしまう. バイクで意図しない加速モードに入ると, 人間は仰反った時にバイクにしがみつこうとしてアクセルから手を離すことが出来ない習性があるから, 一旦こうなると転倒するか衝突するまで停止できない.
まずは低排気量で腕を磨きつつ, 大型に乗る場合, 最初は旧車は避けた方が良いと個人的には思う. 最近の大型バイクはインジェクション・ABS・トラクションコントロール等が装備されていることは当たり前になってきており, ソウトウェア面の制御も高度化しているためハイパワーのバイクでも驚く程扱い易い. それでも過信は禁物だし, 大型の場合は重量そのものに慣れが必要だから, 初心者がいきなりゴールドウィングやら大型ツアラーに乗るのは止めた方が良いと思う. 後は絶対に立ちゴケや転倒するから, 最初から新車は後悔するだけじゃないかな. 私も経験を振り返り, 自身の反省も込めての呟きである.