このブログを始めて間もない頃, DUCATI正規ディーラーを運営していた(有)トマトモータースが倒産したことを書いたが, バイク乗りの間では関心が高かったのかこのブログでは最もアクセス数が多い記事なのだ. 最近ふと(有)トマトモータースが運営していたディーラーの1つであるドゥカティ東京ウェストのことを思い出し, 元社長は今頃どうしているのだろうと調べてみると, 経営コンサルティングの事業を始めておられた.
廃業させてしまった失敗の経験を踏まえて, 二輪車販売店向けのコンサルタント業務を行っているようだ. 廃業前後の精神状態は酷かったようで, どん底の状態から復活されて何よりである. 私のように行動しないで批判するような輩より, 行動して失敗し, それを糧にまた頑張っている人のほうが素晴らしいに決まっている. ただ, 事業となると失敗による影響は自身だけの問題ではなく, 従業員や債権者に及ぶ訳で, 個人の美談的なもので片付けられない.
前述のとおり元社長は廃業に至る過程や廃業後に死を意識したようで, どのような形であれ失敗した過去と対峙しながら新たな結果を出そうと努力されていることは称賛したい. ただ, 廃業に至った時期を振り返り, 自分はもとは優秀なオートバイのセールスマンであったが, 社員になめられてしまい最後は組織としての体をなしていなかった, と言った元社長のコメントを目にして, ん?それ失敗談としても経営者として言うことなのかと疑問を感じた. もう少し, 元社長の人柄が知りたいと思い調べてみて出てきたのが, この元社長自身の書き込み.
これは違和感の塊やないかい. 従業員に対してもそうだし, 今ならうまく会社を経営できると断言してしまうこともそうだし, 何よりお客様へ一切迷惑かけることなく廃業したと自画自賛していることが最も違和感. 車両を預けたままいきなり店と連絡が取れなくなり, 自ら破産管財人に連絡を取り対応に苦慮したという顧客の悲痛な書き込みは結構あるぞ. 元社長のコメントは従業員や債権者が読んだら, ふざけるなとならないのかな.
元社長はモトプランで店長を3年努めた経歴もあり, 営業マンとして相当の実績があるとのこと. これも元社長自身が言っていることなのでアレだが, まぁ事実だとして, 名選手は名監督になれるとは限らないです!ということを, しくじり先生としてコンサルタント業務に活かしているのかな. 私はドゥカティ東京ウェストで長年お世話になっていたし, メカニックの人たちも大好きだったが, 客観的にみてディーラーとしての組織運営や営業力は酷かったと思うよ. あの元社長の書き込みを読むと, 廃業は必然だったのかなと感じざるを得ない.